平成8年度は調査対象とした以下の7ヶ所の湧水・流れの遺構について現地調査と資料収集、整理作業をおこなった。 (1)城之越遺跡 三重県上野市 4世紀 (2)阪戸遺跡 奈良県奈良市 5世紀 (3)南紀寺遺跡 奈良県奈良市 5世紀 (4)上之宮遺跡 奈良県桜井市 7世紀 (5)小墾田宮遺跡 奈良県明日香村 7世紀 (6)島宮遺跡 奈良県明日香村 7世紀 (7)白亳寺遺跡 奈良県奈良市 8世紀 収集した資料は発掘調査報告書、遺構実測図(平面図・断面図・土層図)、写真、遺物関係資料、周辺地形図などである。 整理作業は上記実測図を同一スケールに統一し、湧水・流れの縦・横断面図作成、図面トレースなどである。 次年度はこれらの資料と以前作成した7、8世紀の園池関係資料をあわせて検討し、古代の湧水・流れ遺構の性格分析、位置づけを行なう予定である。さらに湧水・流れ遺構と7、8世紀の園池との関連についての結論を導きたい。
|