研究概要 |
イムノカプチャー(IC)-RT-PCR法を用いて、果樹の葉から直接PT-PCRを行いリンゴステムグルービングウイルス(ASGV)ゲノムの一部を増幅後、その産物をsingle strand conformation polymorphism(SSCP)分析した。その結果、(1)IC-RT-PCRによってASGV感染果樹の微量な葉組織(0.1g以下)からASGVゲノムを増幅可能であることが明らかになった.(2)ASGVの分離株および塩基配列変異株のDNAクローンを供試してSSCP分析したところ,大部分の分離株および塩基配列変異株を移動度の異なる一本のバンドとして検出することができた.(3)リンゴ,ニホンナシおよびセイヨウナシの計4樹を供試して、各樹の4本の枝から採取した葉についてSSCP分析したところ,すべての供試樹から2-4種類の塩基配列変異株が検出され,葉によってその構成および量比に違いが認められた.(4)ASGV分離株(AAKおよびJP3)をC.quinoaで15代継代を繰り返した後,SSCP分析したところ,継代の繰り返しによって,含まれる塩基配列変異株の構成および量比に変化が生じ,一部の塩基配列変異株が優占することが明らかになった.
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