• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

昆虫ウイルスの種間競争に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08660053
研究機関東京農工大学

研究代表者

国見 裕久  東京農工大学, 農学部, 助教授 (50195476)

キーワード核多角体病ウイルス / 顆粒病ウイルス / 昆虫ポックスウイルス / 競争 / ウイルス包埋体 / 増殖曲線
研究概要

95%致死濃度の2倍量核多角体病ウイルス(NPV)と顆粒病ウイルス(GV)あるいは昆虫ポックスウイルス(EPV)を4齢脱皮直後のチャノコカクモンハマキ幼虫に同時接種し、その後の宿主体内でのNPVの増殖を調査したところ、NPVの増殖パターンは、NPV単独接種の場合とほぼ同じであった。NPVの次世代の包埋体は、ウイルス接種後5日目から宿主体内で認められ、その後急激に増加して、9日目にプラトーに達した。NPV増殖パターンは、ロジスチックモデルへよく適合することが明らかになった。NPV単独接種区、NPVとGV同時接種区およびNPVとEPV同時接種区におけるNPVの内的自然増加率は、それぞれ2.8、3.1および2.4であった。また、飽和密度(包埋体数の対数値)は、それぞれ9.4、9.5および9.3であった。
一方、95%致死濃度の2倍量のEPVを4齢脱皮直後のチャノコカクモンハマキ幼虫に接種し、その後の宿主体内でのEPVの増殖を調査したところ、EPV増殖パターンは、ロジスチックモデルへよく適合し、内的自然増加率および飽和密度はそれぞれ0.24および8.3と推定された。しかし、NPVとEPVを同時に接種した場合には、EPVはほとんど増殖できなかった。このことから、ウイルス間の競争の勝敗には、ウイルスの増殖速度が関係していることが示唆され、内的自然増加率の大きいウイルスが優位であると考えられた。

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi