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1997 年度 実績報告書

キチナーゼ遺伝子の導入による病原菌抵抗性植物の作出

研究課題

研究課題/領域番号 08660058
研究機関山口大学

研究代表者

古賀 大三  山口大学, 農学部, 教授 (30091185)

キーワード植物生体防御 / キチナーゼ / トランスジェニック植物
研究概要

植物は病原菌の感染に対し自己防御のため、一連の生体防御タンパク質を誘導発現するが、その主な溶菌酵素にキチナーゼがある。本研究では、近年問題の多い化学農薬散布に替わって、植物本来の生体防御酵素キチナーゼを病原菌感受性植物に遺伝子導入し、病原菌抵抗性植物の作出を可能にするために必要な研究を行ってきた。その成果を以下に述べる。
1:植物キチナーゼはクラスI,II,III,IV,Vに分類される。我々は、ヤマイモの塊茎からキチナーゼのアイソザイムを精製し性質を調べた結果、病原菌に対する溶菌活性が強いキチナーゼはクラスIIIとIVであることを明らかにした。また、これらのキチナーゼの溶菌活性の強さは固形のキチンに対する親和力に起因することを見い出した。
ヤマイモのクラスIVとキチナーゼの遺伝子配列およびアミノ酸配列を解明し、さらに、その遺伝子導入のため、タバコキチナーゼ(クラスI)あるいはシュガ-ビ-トキチナーゼ(クラスIV)の分泌シグナルを融合したキチナーゼ遺伝子を構築した。この遺伝子をアグロバクテリウムのバイナリー系を用いて導入し、ヤマイモキチナーゼを発現するタバコおよびイチゴの形質転換植物の作出に成功した。
3:本研究により明らかになった問題点として、キチナーゼ遺伝子の遺伝子導入のために用いる大腸菌およびアグロバクテリウムが、キチナーゼ遺伝子の導入により生育が悪くなることが判明した。現在、これを解決するため2つの方法を用いて対処している。1つはパーティクルガンによる導入法を用いること。2つめは遺伝子構築において工夫している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Daizo Koga: "Biological Functions and Properties of Chitinase Isozymes from Yam. Advances in Chitin Science. Vol1, pp70-77" Jacques Andre Publisher, Lyon France, 513 (1996)

  • [文献書誌] Daizo Koga: "Induction of Chitinase in Fine Bent-grass and Yam By Various Elicitors. Biomdedical Functions and Bioechnology of Natural and Artificial Polymers. Frontiers in Biomedicine and Biotechnology, Vol.3. pp231-241" ATL Press Inc.Science Publishers USA, 283 (1996)

  • [文献書誌] Daizo Koga: "Comparative Biochemistry of Insect and Plant Chitinases. Chitin Enzymology, Vol.2 pp85-94" Atec-Edizioni, Senigalia Italy, 612 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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