B.thuringiensisにおけるinsecticidal crystal protein(ICP)の発現制御機構が近年、いろいろなICP遺伝子について行われてきた。研究代表者は、B.thuringiensisのICP遺伝子発現ベクターを構築し、各種ICPを発現させることが可能となった。また、B.thuringiensis菌株から各ICP遺伝子のプロモーターをクローニングし(cry1A遺伝子プロモーター、cry2A遺伝子プロモーター、cry3A遺伝子プロモーター、cry4A遺伝子プロモーター等)各種プロモーター制御下でのそれぞれのICP遺伝子の発現制御機構について解析した。cry1Aとcry4A遺伝子に関しては、そのプロモーターでの発現制御機構が、詳細に調べられているがcry2A遺伝子に関してはこの遺伝子のプロモーター制御下でのICP遺伝子発現制御機構は調べられていなかった。cry2A遺伝子プロモーター発現制御機構を調査した結果、cry2A遺伝子の発現は、その上流域に存在する2つのorfの上流に存在するB.thuringiensisの他のcry遺伝子にも共通して見られる、BtIプロモーター制御下で発現されることがプライマーエクステンション法を用いた調査で明かとなった。crylA遺伝子プロモーターの発現制御機構と併せて、新たにcry2A遺伝子プロモーター発現制御機構について本実験で明らかにし、B.thuringiensis遺伝子導入ベクターを2種類構築することができた。
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