研究概要 |
この研究は生糸検査の自動化を目的として行われた.前年度では,すべての節が孤立した節であることを前提とした節検査システム開発してきた.しかし,実際の検査では,例えば,中節が2つ以上隣接して現れる節をひとまとめにして一つの大節と判定することがある.このような問題を解決するために,平成10年度は,隣接して現れる複数の節のエッジ抽出問題について検討した.その結果,前年度までに解析した検査員の節検査時の視覚情報処理過程の結果に基づいて,ファジー理論を応用した節のエッジ検出過程のコンピュータモデルを構築した.構築したモデルはファジールールを用いており,孤立節のエッジ抽出ルール部と平坦部抽出ルール部を持っている.処理過程は,まず,節を孤立節のエッジ抽出ルール部に基づいてファジー推論によりエッジ抽出した後,平坦部抽出ルール部に基づくファジー推論により隣接複数節か否かを判定する.この方法により,前年度までに構築したシステムの節の識別率が約5%改善でき,検査員の検査結果に近い処理が可能となった.
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