研究概要 |
平成8年度は高知県内の様々な土地利用形態から調査地点を決定し,土壌・地形の記載を行うと同時に分析用の土壌および環境水の試料採取を行った.土壌の理化学性の分析項目は,物理性として土性,三相分布,飽和透水係数を,化学性としては交換性塩基(Ca,Mg,Na,K),交換性Al,H,陽イオン交換容量,可給態リン酸,全炭素・全窒素,pH(水,KCl)を,荷電特性としては荷電ゼロ点と荷電ゼロ点における余剰荷電(σp)を,鉱物性としては遊離酸化物の指標値としてTamm,DCB抽出を行い,鉄,Al,Siを測定すると共に,粘土鉱物の同定を行った.同時に平成8年5月,9月,12月の3回にわたって,土壌硬度の測定を行った.また,現場透水係数の測定,土壌硬度の測定などを行った. 平成9年度はシバ草地の微生物に重点においたモニタリングを行った。平成9年6月,9月,12月に土壌硬度の測定とサンプリングを行い,生土試料を用いて土壌中の放線菌と糸状菌の生菌数を測定すると同時に,pH,EC,水溶性陽イオン・陰イオンを測定した.また,風乾土試料を用いて低分子有機酸組成を測定した.これらのことから,古い草地は新しい草地や天然生林に比べ、水溶性の養分そのものは少ないが、上層と下層の分布の差が小さいことから、5〜20cmの範囲での養水分の循環がうまく機能する安定な状態であることがわかった。
|