研究概要 |
1.ジャガイモそうか病防除に対するアロフェン質土壌における施肥法の影響(1) 塩基置換容量が10前後の小さいアロフェン質においては処理前の土壌pHが6近い土壌であっても,過燐酸石灰と硫加を全面散布し,硫安のみ作条施肥にした場合,土壌pHは開花期から塊茎肥大期にかけて著しく低下し,水溶性アルミニウムは溶液中で0.5ppm以上となり,ジャガイモそうか病病は抑制された.3要素を全量作条に施用した場合に比較して,最大に差のあった時点ではpH0.8程度低い値となった. 2.ジャガイモそうか病防除に対するアロフェン質土壌における施肥法の影響(2) 塩基置換容量が15前後で,アロフェンの含有率が5%以上と高い土壌においては,3要素全量作条施肥では健全な塊茎は皆無であった.しかしPK全面散布で硫安のみの施肥でも若干の改良効果しか認められなかった.しかし,この方法と硫酸アルミニウムを組み合わせた改良区では無病の塊茎が30%にも達した.また,この区においては病害程度の著しい発病度3と4の合計は20%以下であった.また,PKを全面散布する代わりに,緩行性肥料のPKと硫安の作条施用区ではPK全面散布区よりpHを低く維持し,良好な結果が得られた. 3.ジャガイモそうか病防除に対する灰色台地土における堆きゅう肥施用の効果 灰色台地土において,堆きゅう肥を20t/ha施用したほ場においてはいずれの処理区も土壌pHは低下せず,水溶性アルミニウムが極端に低く経過したため,ジャガイモそうか病の防除は発揮できなかった.これは堆きゅう肥の分解に伴って発生する二酸化炭素による緩衝効果であると考えられた.
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