研究概要 |
(1)two-hybrid法によるVP1と相互作用するタンパク質の探索 VP1のC端末高度保存領域B3ドメインをbaitにしたスクリーニングで、B3ドメインと相互作用するタンパク質VIP-C1(旧名CANDY22)をクローン化した。保存配列B1,B2を含むN末端側領域をbaitにスクリーニングを行ったが(約5X106)、はっきりとした相互作用を示すcDNAクローンは得られなかった。 (2)ABAおよびVP1による制御に関わるシス配列の詳細な解析 OSVP1の標的遺伝子の一つであるOsem遺伝子のABAおよびVP1による制御に必要な最小限のシス領域(ABRC:ABA Response Complex)55bpについてのlinker-scan mutagenesisなどにより、G-box様配列motifAとその約30bp下流にCE3(coupling element 3)様の配列がABA応答性およびVP1による制御の両方に重要であることおよび、この2つのエレメントが配列的にもまた機能的にも等価であることをが明らかにした。このことは、OSBZ8がmotifAのみならずCE3配列にも結合することから、さらに裏付けられた。 (3)G-box様ABREの塩基配列要求性 ABREに働く真のトランスファクターを同定するための情報を得るために、motifAがABREとして機能するための塩基配列要求性を詳細に検討した。その結果、motifA(TACIGTGTC)の3側half siteの配列要求性は、これまでに調べられているGBF型bZIPタンパク質の結合配列特異性とほぼ完全に一致することが分かった。このことにより、ABREに作用するトランスファクターがGBF型のbZIPタンパク質であるというこれまでの予想が正しいことが裏付けられた。
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