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1996 年度 実績報告書

β-アミラーゼのタンパク質工学

研究課題

研究課題/領域番号 08660109
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

三上 文三  京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (40135611)

キーワードβ-アミラーゼ / X線結晶構造解析 / タンパク質工学
研究概要

申請者はβ-アミラーゼの立体構造に基づいた酵素機能変換の可能性を追求するためにダイズβ-アミラーゼ、耐熱化オオムギβ-アミラーゼ、およびBacillus cereus β-アミラーゼのX線結晶構造解析を行い、各酵素の機能上の差違を与える構造を明らかにし、新機能酵素を設計、開発することをめざしている。平成8年度は以下の点について検討を行った。
1.サッポロビール株式会社の吉儀らによって開発された耐熱化オオムギβ-アミラーゼの結晶化を試みた結果、正方晶の結晶が得られた。本酵素のX線結晶構造解析をダイズβ-アミラーゼをモデルとする分子置換法により行い、2.5Å分解能での構造を明らかにすることができた。ダイズとオオムギのβ-アミラーゼは約80%の一次構造上での相同生があり、両者の立体構造もC末端部分を除いてはほぼ同様であることから、7ケ所の部位特異的変異により達成された耐熱性の構造的知見を得ることができた。
2.Bacillus cereus起源のβ-アミラーゼの大量発現系を構築するために神戸大学の新家、南森らによってクローニングされた遺伝子を大腸菌での発現ベクターに組み込み、E.coli HMS174での大量発現に成功した。現在、本酵素の精製と結晶化を行なっている。本酵素のX線結晶構造解析により、植物型とは異なる至適pHおよび生澱粉分解活性についての構造的知見が得られるものと期待される。
3.ダイズβ-アミラーゼの触媒残基であるGlul86、Glu380の変異体を作製し、変異酵素とマルトースとの複合体のX線結晶構造解析を行なっている。Glu380をGlnに変異した酵素の2.0Å分解能での結果から、Gln380の側鎖の位置はGlnの場合とは異なり、そのため触媒に使われる水分子が酵素に結合できず、結果としてサブサイト3にグルコース残基が結合できなくなることが明らかになった。
以上の」ように種々のβ-アミラーゼのX線結晶構造解析を推進し、β-アミラーゼのタンパク質工学に必要な構造機能相関に関する知見を集積しつつある。今後、Bacillus cereusのβ-アミラーゼの構造を明らかにした上で、生澱粉分解活性を有する植物型β-アミラーゼなどの新機能β-アミラーゼの設計を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 三上 文三: "β-アミラーゼの構造を見る" 化学と生物. 35巻3号. 199-199 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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