(1)微生物細胞を酸化還元触媒として取り扱い、適当なメディエータを介して電極との電子伝達共役がおこるような系について検討した結果、酢酸菌とユビキノン系によるエタノールの酸化、シュドモナス菌とベンゾキノンの組み合わせによるニコチン酸の酸化的水酸化、脱窒菌デユロハイドロキノン系によろ硝酸の還元反応が、期待どうりの電子伝達共役系として機能することがわかった。 (2)酢酸菌とユビキノン、シュドモナス菌とベンキノンの2つの系について、細胞触媒活性の解析を進めた結果、このような細胞触媒反応は、ミハエリスーメンテン型の実験式で説明できることがわかった。実験データの解析によって細胞一個当たりのターンオーバー数や見かけ(膜透過の効果を含む)のミハエリス定数を求めるこたが出来ることを示した。 (3)上記3つの細胞-メディエータ系について、カーボンペーストを電極基材とし、その中にメディエータを練り込んだ細胞固定化電極を作成した。バイオセンサー特性を詳しく調べた結果、我々が酵素機能電極の場合に構築した理論によって、細胞電極の場合のセンサー特性も良く説明できることがわかった。
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