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1996 年度 実績報告書

林内かき起こし地における光環境と樹木の更新

研究課題

研究課題/領域番号 08660170
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

渋谷 正人  北海道大学, 農学部, 助手 (10226194)

研究分担者 松田 彊  北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (30002075)
高橋 邦秀  北海道大学, 農学部, 教授 (80281707)
キーワード林内かき起こし / 林分種組成 / 光条件
研究概要

本年度は北海道大学雨龍演習林で調査を行った。およそ0.1haのかき起こし地を含むように、林冠の疎開度が異なる3調査区(A〜C)を設定した。かき起こし後の経過年数は、AとCが8年、Bは16年である。結果は以下の通りである。
1.全調査区で11〜12種の樹種が出現し、多様な種の侵入がみられた。更新木の密度は20〜60/m^2であり、個体数の多い樹種はカンバ類と針葉樹類であり、次いでミズナラであった。樹高はA,Cで0.1〜4m、Bで0.1〜10mで、樹種間で階層が分化していた。
2.もっとも優占していたのはカンバ類であるが、全調査地で更新面のうちの30%前後はミズナラやトドマツが優占するパッチとなっていた。これらの更新場所は残存する上層木の樹冠下やその周縁であった。侵入時期には樹種による差はなかった。
3.更新面の光条件は、林冠の疎開面積が大きいほど、また上層木の樹冠から離れるほど明るく、上層木の樹冠周縁で相対PPFD50%程度、樹冠下では30%以下であった。林内のある地点における明るさは、もっとも近い上層木までの距離によりおおよそ推定できた。
4.樹種別の成長量は、カンバ類では光条件が良好なほど成長も良くなるが、ミズナラとトドマツは、カンバ類に比べると、光条件にともなう成長量の変化は小さかった。しかし相対PPFD30%前後では、カンバ類とミズナラの平均樹高成長量はほぼ同じとなり、それより暗い条件下ではカンバ類の成長は急激に悪化した。
5.上層木が残存することにより、更新面の光条件が多様となり、カンバ類以外の樹木も優占できる部分が生じると考えられた。さらに上層木があるため鳥散布型の樹種も更新し、大面積かき起こし地とは異なる種組成と構造の林分が成立する可能性が考えられた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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