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1997 年度 研究成果報告書概要

森林土壌の菌食性動物による樹木の成長制御

研究課題

研究課題/領域番号 08660190
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 林学
研究機関島根大学

研究代表者

金子 信博  島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (30183271)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
キーワード土壌動物 / 森林土壌 / 種間相互作用 / トビムシ / ヤスデ
研究概要

自然系である森林土壌で養分供給速度を決めているのは分解に関与する生物であり,その生物を制御しているのは土壌中の食物連鎖であるとの仮説を検証するために,土壌動物と微生物による生物的な樹木の成長制御機構の解明をめざし,つぎのような調査を行った.1)トビムシによる苗立枯れ病の発病抑制:ポット試験により,菌食性のトビムシが苗立枯れ病菌を摂食してアカマツへの発病を抑制する機構を明らかにした.2)非破壊の森林土壌を用いたポット試験:非破壊の土壌より土壌動物のみを除去した系と除去後にトビムシ1種類を入れた系および,操作していない自然土壌の機能測定(土壌呼吸・溶脱イオン量)を行い,実験終了時に土壌微生物バイオマス・小型節足動物の個体数を計測した.3)アカマツ-菌根系に与えるトビムシの摂食の影響:アカマツ実生にコツブタケ菌を感染させ,菌根を形成させた苗木を用い,菌食性トビムシの摂食がアカマツの成長に及ぼす影響を,トビムシの摂食による菌根の減少と,トビムシを介した養分(特に窒素)無機化速度の測定によって評価した.4)野外マイクロコズム:三瓶演習林のアカマツ・コナラ林分内に土壌マイクロコズムを設置し,ババヤスデによる土壌微生物の摂食によるバイオマス・土壌呼吸および溶脱イオン量を測定した.また,ヤスデによる土壌構造の改変が土壌の機能量に与える影響について測定した.結果をまとめると,小形の節足動物であるトビムシは病原菌の発病を抑え,腐生菌の活性を高めていた.菌根菌に対して特に阻害的ではなく,樹木の成長は促進された.大形の節足動物であるババヤスデは土壌食という特異な食性を持ち,土壌動物の活性を高め,物質循環速度を高めていることが確かめられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 金田 哲・金子 信博: "非破壊土壌マイクロコズムの殺虫方法の検討" 森林応用研究. 6. 37-40 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 金子 信博・隈本 宗聡: "2種のトビムシFolsomia CandidaとSinella curvisetaの摂食によるアカマツ(Pinus densiflora)実生の菌立枯病(Fusarium oxysporum)の発病抑制" Edaphologia. 60. 49-54 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Kaneda, S.and Kaneko, N.: "Examination of defaunation methods of intact soil microcosms." Appl.For.Sci., Kansai. 6. 37-40 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Kaneko, N.and Kumamoto, M.: "Supression of Fusarium oxysporum causing pine (Pinus densiflora) seedling disease by grazing of collembolans, Folsomia candida and Sinella curviseta." Edaphologia. 60. 49-54 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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