研究概要 |
1.福岡県宗像市内の4カ所の公園緑地(近隣公園及び地区公園)の周辺の住民から,住民台帳でランダムに選んだ2000人を対象として、地区内の緑地の利用実態をアンケート調査した。その内容は、(1)季節ごとの利用頻度と利用時間帯,(2)利用者の自宅と緑地の位置関係,(3)その緑地での活動の目的や内容,(4)利用者が感じる利用効果や満足度などその緑地の評価,(5)当該公園以外で利用する市内の緑地とその頻度目的などであった。約1100件のデータが回収されて基本集計が修了し,現在,(1)利用効果の評価に関する有効な指標を見つけ出すため,(2)利用者の属性と活動内容を分析して自宅からの距離別に期待されている緑地のタイプを求めるための詳細な分析に取りかかっている。 2.上記調査対象地の一つである溜め池を含む緑地の,公園の再整備と緑地計画をテーマとした住民参加型ワークショップを実施し,参加した住民の反応から緑地に対する意識と期待を読みとる作業を行った。ワークショップに参加したのは大学生から高齢者まで,また緑地のすぐそばに居住するものから5km以上離れたところに住むものまでさまざまで,緑地の整備方針に関する意見は,特に,(1)緑地の自然性,(2)緑地の利用性,(3)緑地の安全性の3点への重みのかけ方の違いとして表れた。ワークショップの概要は記録集として報告し,参加者の緑地に対する要望の特性や,参加前後の意識の変化などについての知見は,日本林学会九州支部大会で口頭発表した。 3.宇部市を対象地に選んで,都市緑化基本計画のための基礎的検討に着手した。5月をめどに一応のとりまとめを行う予定である。
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