研究の目的(1)スギ心材から、黒く発色する化学成分(色素)を単離し、その化学構造を決定する。(2)材組織中での色素の分布を明らかにする。 今年度の実績概要 (1)スギ心材のメタノール抽出物をロ紙上にスポットし、それに10%炭酸水素カリウム溶液を一滴滴下する。すると時間経過とともに無色から青色そして暗青色に変化する現象をみいだした。これは色素検出法に使えるがわかつた。(ろ紙色素検出法の確立) (2)スギ心材の鉋削片をメタノール中に2時間浸漬し、メタノール抽出物を得る。このメタノール抽出物をロ紙上にスポットするし、ろ紙色素検出法によると色素が存在するこがわかった。 (3)ガスクロマトグラフィーによりメタノール抽出物の主要成分としてアガサレジノールを同定した。 (4)スギ心材の柾目面からできりかぎり薄い鉋削片を作成する。これにマイクロシリンジで炭酸水素カリウム溶液を一滴滴下し、ル-ペ下で、変色経過を観察した。放射細胞が特に黒く変色した。
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