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1997 年度 実績報告書

飼料生物「ワムシ」の耐久卵休眠・孵化機構の解明と大量保存技術への展開

研究課題

研究課題/領域番号 08660235
研究機関長崎大学

研究代表者

萩原 篤志  長崎大学, 水産学部, 教授 (50208419)

キーワード海産ツボワムシ / 休眠卵 / 保存 / 種苗生産
研究概要

1.ワムシ耐久卵の薬剤処理法
前年度の研究から、耐久卵の卵膜に細菌が感染すると孵化率が低下することが明らかになった。これは休眠を終了した卵がガス交換をおこなうために役立つ、二次卵膜表面の0.1μm径の多数の孔が、細菌により覆われて機能しなくなるためである。そこで、ステージが異なり、細菌の感染を受けた耐久卵を材料として、薬剤処理(抗生物質、抗菌剤等)や乾燥・凍結処理が卵の孵化能力にどのような影響を与えるか調べた。
休眠期間が1ヶ月以内の卵では、0.5ppmホルマリン、5ppbテトラサイクリン、5ppbオキシテトラサイクリンでも孵化能力を回復させることができたが、5年以上休眠させた卵では効果がみられなかった。一方、1ppm次亜塩素酸ソーダと5ppbニフルスチレン酸ナトリウムでは卵の休眠期間によらず不可能力を回復させる効果がみられた。
2.ワムシ休眠卵の缶詰保存
真空凍結乾燥処理を施した卵を低真空度下で缶詰化することを最終的な目的とし、そのために必要な知見として、長期保蔵実験を行い、最適な乾燥条件、凍結条件、保蔵時の圧力を求めた。
その結果、耐久卵は水洗後、恒温器(20℃)内で24時間予備的に乾燥したのち、凍結することが必要で、凍結温度は-20、-35、-80℃いずれでも解凍後の孵化率に影響を与えなかった。その後、真空度を変えて(21-101KPaに7段階)缶詰を作成し、この状態で6ヶ月保存した後、孵化率を調べたところ、88および101KPaで孵化率の低下があったものの、他では処理前の孵化率を維持できた。また12ヶ月保存では61KPaのとき最高孵化率35%を得た。処理前の耐久卵の水分含量は77.8%だったが、凍結乾燥後には7.8%となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Balompapueng. M. D. et al.: "Effect of chemical disinfectants on the hatching of marine rotifer resting eggs (Brachionus plicatilis)." Aquaculture Research. 28. 559-565 (1997)

  • [文献書誌] Balompapueng. M. D. et al.: "Preservation of the euryhaline rotifer (Brachionus plicatilis) resting eggs by canning method." Hydrobiologia. 358. 163-166 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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