研究概要 |
1.各種統計データの解析を進めた結果、1991年以降は年を経るい従い、雇用指標は悪化。特に95年から96年前半にかけ、自動車依存型産業下の東海などで有効求人倍率の落ち込み、製造業の労働時間の非自発的圧縮、パート比率の増大、倒産の増大が深刻である。 2.愛知県内2000の事業所アンケート結果(95年5月)棟にれば、最近3年間で非海外シフト企業(取引先が海外シフトしている企業)の余剰人員発生状況は、海外シフト企業より深刻である。農村部に多い非海外シフト企業の雇用環境の悪化は顕著である。 3.3次以下下請の聞き取りによれば、元請会社が部品の内製化や共通化を進め、海外調達も急増させているため、受注量の減退や単価の押し下げが顕著である。今後5年間では事業規模の拡大や高付加価値生産へ転換する下請もあるが、規模を縮小し、或いは転・廃業する企業が1/3を越えそうなことが判明した。 4.農村部の下請雇用,の再編に伴い、農村労働力の農業回帰という形での就業再編が、新規参入にも刺激され部分的に起こっているが、量的には多くない。高齢者の農業就業の増加が目に付く。定年退職者が再雇用されるケースが多かった従来とは対照的である。 5.雇用条件悪化の中、就業機会を自ら創出する起業活動の展開は多様である。農業=六次産業と位置づけ、生産・加工・流通に農業体験等を結びつける伊賀の里モクモク手作りファーム、パスカル清美、村興しと結合させ、定年間近な壮年層、女性を中心に百年草、山紫庵などの保養・加工販売・分化を結びつけた交流型施設経営、荷互奈などの生鮮・加工産直施設経営、名古屋市農業文化園と提携した食材提供のつくばねグループなど、都市農村交流型のものが多い。
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