(1)共著書『農村女性の意識と行動』は、京都府美山町の女性約500名を対象に実施したアンケート調査(1994年12月実施)の分析結果をとりまとめたものである。全6章のうち「仕事」、「家族と家庭生活」、「協同の展開と農村女性」の3章を執筆している。 (2)「美山町の現状と課題」は、同町が直面する経済的・社会的問題点を分析し、女性が町おこしのためにどのような活動を行なっているかを調べたものである。過疎、高齢化のなかで中山間地域の女性がいかなる問題を抱え、その取り組みが「女性の自立」という観点からどのように評価されるかを検討している。 (3)[戦後農民層の政党支持と政治意識に関する一考察」は、直接女性を対象としたものではないが、女性も含め農村層と政党・政治との関係を歴史的に分析したものである。また、「『最後の農林官僚』東畑四郎と日本農業の戦前・戦後」は、戦前戦後の変化を注目しつつ、官僚と家族農業経営との関連を分析したものである。 (4)女性の農業就業と報酬に関していくつか事例調査を行なった。これらの調査結果をとりまとめるとともに、近年都市女性を巻き込んで急激に進んでいる「労働の周辺化」との関わりで農村女性の農業就業の評価、位置づけを行ないたい。
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