研究概要 |
1.京都府美山町の40才代以下の女性にスポットを当て,その労働・行動・意識を50才代以上の女性と対比して解明するとともに,その違いの歴史的・経済的背景を考察した「美山町の新たな女性たち」をとりまとめた。また,農村女性の視点から,町村行政の問題点と課題を考察した「美山町の現状と課題」をとりまとめた。 2.「日本農地改革研究の問題点と課題」は研究サーベイ論文であるが,1つの論点として家族農業経営と農地改革の関係について考察を加えている。また,同じく農地改革期を対象にしているが,「農地改革と小作地引き上げ」においては,小作地引き上げを通して村落の論理,家族経営の行動原理を明らかにした。 3.京都府久美浜町を事例制に,産直15年の歴史的展開過程を検討するとともに,産直と農村女性の関わりを明らかにした「京都生協と久実浜町農協との協同」をとりまとめた。また,学界活動の一環であるが,日本村落研究学会の「年報」編集委員長として,有機農業運動と家族農業経営との関係を1テーマとした『年報有機農業運動と地域社会の形成』(農山漁村文化協会,1998年)を編集刊行した。 4.その他,2年の研究期間において,数例の実態調査,のべ約230名の農村女性からのアンケート,文献・資料・統計の収集を行なうことができた。今後遂次当該テーマの統計分析を始め研究成果をとりまとめ発表していく予定である。
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