研究概要 |
平成9年度は昨年度の実績を踏まえ,以下の内容で研究を実施した。 1.試料粘土には,カオリナイト(K)とモンモリロナイト(M)という典型的な粘土鉱物を採用し,これらの混合物の液性限界を,キャサグランデ,フォールコーンという2つの試験法により測定し,比較検討した。 2.カオリナイトK=100%試料の場合,両試験結果ともほぼ一致し,LL=30.2%となった。モンモリロナイト成分を増加させると,試料の流動性が増すため,LL値も線形的に増加した。 3.この増加の程度は試験法によって異なった。極端な例として,モンモリロナイトM=100%試料を例にとると,キャサグランデ法ではLL=895%に対し,フォールコーン法では552%と小さな値であった。この差異は両試験法における物理的な取扱いの違いと,モンモリロナイトの有するチキソトロピックな性質に起因することが明らかになった。 4.簡単なフォースゲージを用いて,試料の引張り強度を測定したところ,液性限界試験と同様,粘土の構成比率との間に線形の関係が確認され,その引張り強度はLLの状態で20〜50kPaであると推定された。
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