研究課題/領域番号 |
08660295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三野 徹 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (10026453)
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研究分担者 |
赤江 剛夫 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (10123423)
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キーワード | マトリック・ポテンシャル / オスモティック・ポテンシャル / 凍結前線 / 潜熱 / 熱伝導率 / 高周波誘電率 / 土壌水分特性曲線 / 塩分集積 |
研究概要 |
本年度の研究で得られた結果は次の3点に整理できる。 (1)標準砂と中国内蒙古で採取した土壌について、水分量(MATORIC POTENTIAL)と塩分濃度(OSMOTIC POTENTIAL)を調整した試料を作成して、凍結実験を行った。含水率が高い試料あるいは塩分濃度が高い試料では、凍結に伴って凍結層に塩分が集積して行くが、含水率が低い試料および塩分濃度が低い試料では凍結前線が急速に進行して、顕著な塩分集積は見られなかった。このことから、不凍結水の有無と凍結に伴う潜熱の発生の有無に塩分の集積が大きく影響されることがわかった。 (2)凍結時に発生する熱と地表面での熱の授受により、凍結前線の進行が複雑に変化するが、土壌凍結による熱伝導率の変化状況の計測に成功し、熱移動と凍結前線の進行の関係をモデル化する見込みができた。とくに未凍結水の存在がこの関係に重要な役割を果たすことが明かとなった。このように凍結に伴う土壌温度変化は、未凍結水の存在ときわめて深い関係を持っており、凍結現象の解明には、高周波誘電率による土壌水分測定によって、未凍結水と凍結水の分離がどうしても必要となることがわかる。 (3)現地状態でFDR法による高周波誘電率の測定とMATRIC POTENTIALの同時測定を行い、この結果をもとに水分特性曲線を分析することができた。このような現地での直接の特性曲線の決定と、土壌を実験室へ持ち帰って従来法により決定した水分特性曲線はよく一致した。 以上の3つの結果を組み合わせることにより、土壌の凍結と塩分集積の関係を解明することが可能となる。また、これらの知見を基礎に、次年度以降ではさらに実験室における実験と現地調査を行って、凍結に伴う塩分集積の制御方法を見い出したい。
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