本年度は、風化程度の低い砂質マサ土を中心としながら、理工学性の改良材(ベントナイトとバ-ク堆肥)の混合割合を変化させた試料について、透水性、保水性、強度の改良を実験的に検討した。得られた結果の概要は以下のとおりである。 まず、透水性については、締固めに関する標準規定値を最大乾燥密度の乾燥側95%と設定した場合、米国道路局の三角座標表示法による分類で、砂質粘度ロームに分類させる試料ではベントナイト無混合、砂質ロームでは混合比3〜4%程度、砂では混合比7〜8%程度のベントナイト混合で、遮水層における透水係数の基準値を満足することが明らかとなった。このように、マサ土では粒度分布とベントナイト混合比との間にある程度の関係が見られ、対象とする試料の粒度分布を調べることで、築堤用土としての透水係数の基準値を満足するベントナイト混合比を決定することが可能である。 次に保水性については、室内実験ならびに現地観測の結果から、バ-ク堆肥を2〜3%程度混合することによって、保水力が顕著に増大し、混合効果が認められた。 最後に強度については、ベントナイトを混合することによって最適含水比よりも乾燥側では粘着力が増大し、混合効果が認められた。また、いずれの改良材を混合した場合においても、土中水分の増減に伴う強度定数の変化点はpF2.5付近に認められた。
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