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1996 年度 実績報告書

畑作物の湿害発生機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08660318
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

田中丸 重美  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (10116478)

研究分担者 木村 和義  岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10033119)
キーワード畑作物 / 過湿害 / 光合成速度 / クロロフィル含量 / 作物気象反応
研究概要

我が国は農耕地帯としては降水の多い地帯に属するため、水田転作ダイズや裏作の麦作では湿害は克服すべき問題となっている。本研究では、畑作物の湿害の発生機構を解明することを目的にオオムギ、ダイズ等の畑作物の個葉の光合成、蒸散速度に及ぼす地下部浸水処理の影響を明らかにするとともに、植物体内における各種ホルモンの動態を明らかにしようと試みた。実験は恒温恒湿の人工光型気象室を使用して行った。
ダイズでは、地下部浸水処理5日目から顕著な光合成速度の低下が認められた。10日目には無処理区の60%まで低下した。蒸散速度は処理開始7日目から減少した。光合成速度の減少は葉のクロロフィル含量及び窒素含量の低下と並行して生じており、地下部浸水による生理活性の低下に起因すると考えられた。
オオムギでは光合成速度は浸水処理開始後2日目から低下し始め、6日目には対照区の30%まで低下した。オオムギはダイズよりも浸水処理に対する反応が大きいことが明らかになった。
処理水温の影響をオオムギを用いて検討した。
処理水温を30Cに上昇させるとより早く光合成速度の低下が生じ、5日目にはほぼ停止した。クロロフィル含量も低下した。葉身のクロロフィル含量と光合成速度の間には有意な正の相関関係が認められ、光合成速度の低下は根の酸欠によりクロロフィルの分解が促進されたためと思われた。葉、茎、根の窒素含量も著しく低下した。
以上のように処理水温を上昇させると低下反応が早期に起こることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 木村和義、田中丸重美: "岡山県南における水稲作況指数と降雨日数について" 中国四国の農業気象. 9号. 66-67 (1996)

  • [文献書誌] 木村和義、飛石久弘、平岡直子、田中丸重美: "人工酸性雨による葉及び花弁の傷害について" 中国四国の農業気象. 9号. 68-69 (1996)

  • [文献書誌] 飛石久弘、木村和義、田中丸重美: "濡れ方の異なるオオムギ系統に及ぼす人工酸性雨の影響" 中国四国の農業気象. 9号. 70-71 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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