• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

鶏精子の運動調節における細胞内シグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08660348
研究機関宮崎大学

研究代表者

芦沢 幸二  宮崎大学, 農学部, 助教授 (60128353)

キーワード精子 / 鞭毛運動 / カルシウムイオン / 運動調節 / カルシウム動員
研究概要

鶏精子の温度による運動調節機構に、細胞内Ca^<2+>が関与しているか否かを明らかにするため、Ca^<2+>調節物質を用いて精子の運動性と細胞内Ca2+濃度に及ぼす影響を検討した。
その結果、精子の運動性は、30℃ではCa^<2+>の存否にかかわらず、75〜80%の高い値を示した。これに対して40℃では、Ca^<2+>無添加の精子は不動化を起こし、2mMCa^<2+>を添加すると75%の値まで回復した。しかし、ベラパミルを1mM添加し、その後Ca^<2+>を加えても、十分な運動回復効果は認められなかった。その際、[Ca^<2+>]_iの上昇が著しく抑制された。また、同一の精子試料を30℃と40℃で交互にインキュベーションすると、30℃では活発な運動を行っており、その後40℃に移すと、ほとんどの精子は運動を停止した。この現象は、ベラパミル添加の有無に関係なく可逆的であり、再び30℃に移すと運動の回復が観察された。一方、細胞内貯留部位(精子の場合は主にミトコンドリア)からのCa^<2+>放出を誘起すると考えられるSr^<2+>を精子に添加すると、[Ca^<2+>]_iの上昇とともに、40℃でも濃度依存的に運動促進効果が認められた。
以上の結果から、鶏精子の運動調節に細胞内Ca^<2+>が深く関与していると推察された。さらに、温度による可逆的不動化は、細胞膜を介する細胞内外のCa^<2+>移送機構より、むしろミトコンドリアにおけるCa^<2+>動員機構に依存しているものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ashizawa,K.et al.: "Temperature-dependent immobilization and restoration of fowl sperm motility caused by intracellular free calcium" Jpn.Poult.Sci.36(1). 9-18 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi