研究概要 |
昨年度までに、我々が樹立したブタのRecombinant ZP-1(r-198mer)抗原に反応するT cell lineを樹立したが、今年度はこのT cell lineよりr-198mer特異的T cell cloneを選別し、そのT細胞エピトープを同定を行った。すなわち、r-198mer抗原はrecombinant DNA technologyによるin vitroの大量産生系より精製した。精製したr-198merをF1雌マウスに免疫し、所属リンパ節より抗原反応性T細胞をIn vitroでcell line化し,これをLimiting Dilution法にてcloningしT cell cloneを得た。T細胞エピトープの分析は、同型マウスの脾細胞を抗原提示細胞として種々の抗原またはr-198merの一部を合成したペプチドに対するT細胞増殖反応で測定した。得られた9個のT cell cloneのうち4個はr-198merの中のTLKfragment(No60-79)に反応し、CTY fragment(No50-67)やKRV fragment(No69-100)には反応しなかった。一方、残る5個はTLK、CTY、KRVいずれのfragmentにも反応しなかった。4個のTLKfragmentに反応するT細胞クローン(r-pZP1T-2,r-pZP1T-3,r-pZP1T-5,r-pZP1T-10)の認識に必要な部位は7-11個のペプタイドであり、いずれもNo63-73のなかに含まれていた。即ちこのNo63-73はT細胞の抗原認識に重要なpeptide motifでありここにエピトープが存在する可能性が高く、これはB細胞エピトープの存在する部位(No54-61)の近傍に存在することが明らかとなった。
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