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1997 年度 実績報告書

シトコンドリアDNAの塩基配列を指標とした日本産肝蛭の分類・同定の試み

研究課題

研究課題/領域番号 08660357
研究機関岩手大学

研究代表者

板垣 匡  岩手大学, 農学部, 助教授 (80203074)

キーワード日本産肝蛭 / Fasciola hepatica / Fasciola gigantica / ミトコンドリアDNA / COI / NDI / ITS-2 / 塩基配列
研究概要

本年度の目的は、日本産肝蛭集団内にミトコンドリアDNAの種内変異が存在するか否かを制限酵素切断パターンによって明らかにすること、さらに日本産肝蛭、F.hepaticaおよびF.giganticaのリボソームDNAのITS-2領域の塩基配列を決定し、それらを比較検討することであった。今回、屠蓄場で採集した日本産肝蛭虫体は全て3倍体個体であった。各虫体より抽出したゲノムDNAを8種類の制限酵素(BamH I,Bgl II,Dra I,EcoR I,EcoR V,Hind III,Mfl IおよびSca I)で切断し、PCRで増幅したミトコンドリアDNAをプローブとしてサザンブロットハイブリダイゼーション法によって制限酵素切断パターンを検出した。また、F.hepaticaおよび韓国産肝蛭(単為生殖の二倍体)の切断パターンと比較した。その結果、日本産肝蛭の三倍体個体集団には少なくとも2型のミトコンドリアDNA多型が存在し、両型の母方祖先種はF.hepaticaではなく、F.giganticaと考えられること、さらにはその内の1型と韓国産肝蛭(はF.giganticaの共通祖先に由来すると考えられることが明らかとなった。一方、核リボソームDNAのITS-2領域の塩基配列から、日本産肝蛭の三倍体個体には異なる2型が認められ、1型はF.hepaticaとほぼ一致し、他型は東南アジア(インドネシア、マレーシア)産F.giganticaと一致することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Itagaki T.et al.: "Taxonomic status of the Japanese triploid forms of Fasciola:Comparison of mitochondrial ND1 and COI sequences with F.hepatica and F.gigantica" J.Parasitol.(In press).

  • [文献書誌] Itagaki T.& Tsutsumi K.: "Triploid form of Fasciola in Japan:Genetic relationships between Fasciola hepatica and Fasciola gigantica determined by ITS-2 sequence of nuclear rDNA" Int.J.Parasitol.In press.

  • [文献書誌] 板垣 匡: "ミトコンドリアDNAの塩基配列に基づいた肝蛭種間の比較" 寄生虫分類形態談話会会報. 15. 19-22 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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