研究課題/領域番号 |
08660361
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 教授 (70195866)
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研究分担者 |
海野 年弘 岐阜大学, 農学部, 助手 (90252121)
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
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キーワード | 平滑筋 / ムスカリン受容体 / 膜の電気的活性 / Caオシレーション / イノシトール三りん酸 / 細胞内Caストア / 電位依存性Caチャネル |
研究概要 |
細胞膜上のムスカリン受容体が刺激されると、腸菅平滑筋細胞は細胞内カルシュウム(Ca)イオン濃度が繰り返し上昇する反応(Caオシレーション)を示す。この反応の発現機序及び細胞生理学的意義を追究する一環として、細胞膜及び細胞内Caストアの役割と両者の相互依存の関係を明らかにしようとした本研究は、前年度に引き続き今年度(平成9年度)も研究計画を順調にこなし、当初の目的をおおむね達成することができた。成果の一部はすでに国際的に評価の高い専門誌、Journal of Physiology(1編)とBritish Journal of Pharmacology(2編)に公表した。残りの成果については、現在投稿の準備をしている。成果の概要は次の通りである。 1.ムスカリン受容体を刺激すると、細胞膜型とストア型のCaオシレーションが発現する。細胞膜型は細胞膜の興奮現象(活動電位の放電)に起因し、比較的弱い受容体刺激で発生する。一方、ストア型は細胞内セカンド・メッセンジャーであるイノシトール三リン酸が細胞内ストアからCaを放出させることによるもので、細胞膜型よりも強い受容体刺激を必要とする。 2.ストア型Caオシレーションの持続と頻度の調節には、細胞外から持続的に流入するCaが重要である。電位依存性Caチャネルとまだ性質が明かとなってないCaチャネルとがCa流入経路として関与している。 細胞膜型Caオシレーションにおいて、活動電位の放電中に流入したCaが細胞内ストアからCaを放出させるというCa誘発Ca放出機構が作動している可能性は低い。
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