研究概要 |
1)トキソプラズマ感染ネコの各種臓器におけるInterleukin 12(IL-12)の検出と同定 実験感染ネコより採取した脾臓からRNAを分離し、既に報告されているヒトならびにマウスのIL-12の35KDおよび40KD分子より作成したプライマーを用いてPolymerase Chain Reaction反応を行い、増幅して得られたプローブのDNA塩基配列とノーザンブロットによりIL-12の相同性を確認した。また、実験感染ネコより経済的に脾臓、腸間膜リンパ節を採取し、発現時期を観察した(第122回日本獣医学会発表)。 腸管組織における分泌型IgAの検出ならびに感染防御効果の検討 実験感染ネコの糞便ならびに腸管洗浄液を経時的に採取し、抗トキソプラズマIgA抗体の存在をイムノブロット法により検出した。その感染防御能を検討すべく、ネコ線維芽細胞の培養液中に添加し、トキソプラズマ虫体に対する細胞内侵入阻止効果を観察した(第122回日本獣医学会発表、投稿中)。 有性生殖期虫体の特異抗原性に関する研究 有性生殖期発現機構に関する研究に着手すべく、パーコールを用いた密度勾配遠心法による感染ネコ腸管粘膜上皮組織から有性生殖期虫体の分離採取方法を開発した(Parasitol. Res.,印刷中)。同方法により得られた虫体を用いてマウスならびにネコを免疫し、現在、有性生殖期虫体特異抗原を検索している(第122回日本獣医学会発表)。
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