研究課題/領域番号 |
08660379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西村 亮平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80172708)
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研究分担者 |
望月 学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90261958)
佐々木 伸雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60107414)
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キーワード | オピオイド / 鎮痛薬 / 内臓痛 / 体性痛 / モルヒネ / ブトルファノール / メデトミジン / ミダゾラム |
研究概要 |
本年度は、ラットを用いて、鎮静薬(メデトミジン:Med)、トランキライザー(ミダゾラム:Mid)、麻酔薬(ケタミン:Ket)及び麻薬指定のないオピオイド(ブトルファノール:But)を単独あるいは組み合わせて硬膜外投与した場合と麻薬系オピオイド(モルヒネ:Mor)を投与した場合の、体性痛(tail flick法)および内臓痛(直結腸バルーン法)に対する効果について比較検討し、鎮痛効果に優れた薬剤あるいはその組み合わせの検索を行った。 その結果、モルヒネは体性痛、内臓痛の両方に対して強力な鎮痛効果を示した。But、Bup、Midは内臓痛に対しては中程度の鎮痛効果を示したものの、体性痛に対する鎮痛効果は弱かった。またBut、Bupでは鎮痛効果に天井効果がみられた。一方Med、Ketは高用量では体性痛に対しかなりの鎮痛効果を示したものの、その持続時間は短く、また内臓痛に対する鎮痛効果は弱かった。Med、Ketでは同時に鎮痛、意識喪失などの全身性の作用も認められた。以上のような理由から、モルヒネ以外の薬剤を単独で硬膜外に投与しても、十分な術後疼痛管理は困難であると考えられた。 次にモルヒネ以外の2種類の薬剤を組み合わせて硬膜外に投与した場合の体性痛および内臓痛に対する鎮痛効果を、同様の方法を用いて評価した。その結果But+Med、Med+Ketの組合せは体性痛に対して、またBut+Bup、But+Midの組み合わせは内臓痛に対して他の組み合わせと比べ有効であったが、これらの組み合わせの中で、体性痛、内臓痛の両方に非常に有効なものはなく、モルヒネと比較するとその鎮痛効果は十分とはいえなかった。今後さらに高用量を投与する、体性痛により効果的な組み合わせと、内臓痛に対してより効果的な組み合わせをさらに組み合わせる、持続時間を延長させるような薬剤を組み合わせる、などの方法を検討する予定である。
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