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1997 年度 実績報告書

獣医領域における膵島移植のための新しい凍結法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08660384
研究機関山口大学

研究代表者

田浦 保穂  山口大学, 農学部, 教授 (80163153)

研究分担者 中市 統三  山口大学, 農学部, 助教授 (60243630)
中間 實徳  山口大学, 農学部, 教授 (90081596)
キーワード膵島移植 / エチレングリコール / 糖尿病治療 / 膵島凍結
研究概要

本研究の主な目的は、膵島を分離する以前の膵臓自体の保存を含め、実際の移植に耐え得る膵島の保存方法を動物の膵島を用いてin vitroで検索したのちに、凍結融解した膵島を用いて実験的糖尿病モデル動物に移植し、その効果をin vitroで調べ、さらに膵島の凍結によるインスリン分泌能の低下の原因を明らかにすることである。凍結装置は、山口大学農学部家畜外科学教室が現有するプログラムフリーザ-(MPF-1000,EYELA)と液体窒素を使用した。膵島モデルはラットおよび食肉センターより入手したブタあるいはウシから得た。分離培養操作には同教室現有のクリーンベンチおよび冷却遠心機を使った。糖尿病モデル動物は田浦らの方法に従って、膵全摘出あるいはストレプトゾトシン注射にて作出し、安定した糖尿病状態を維持できた。今後はそれらに凍結融解した膵島を移植する予定であるが、今回はin vitroでの生存性からデータを解析した。すなわち、in vitroはインスリン分泌能を測定し、形態的および機能的に膵島を検索した。in vitroではレシピエントの糖尿病状態を各項目でモニターし、最終的にはドナーを再摘出し組織検査を実施し、レシピエントが再び糖尿病状態になるかどうかについて今後検討したい。
それらの結果、従来までジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下でしか凍結できないとされていた膵島の凍結をエチレングリコール(EG)存在下で行い、EGでも膵島の凍結保存が可能であることが世界で初めて実証できた。またEGは長時間浸漬による膵島への細胞毒性と、凍結時の浸透圧ショックがDMSOに較べて低いことを証明し、より簡便に膵島を凍結保存できることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 田浦保穂: "移植免疫-膵島移植を中心に-" 獣医畜産新報. 49(11). 919-922 (1996)

  • [文献書誌] 宇根 智・田浦保穂: "骨髄移植およびドナー ; 特異的免疫寛容導入法" 獣医畜産新報. 49(11). 937-940 (1996)

  • [文献書誌] Sakonju,I., Taura,Y.: "Cryopreservation of rat pancreatic islets in the presence of ethylene glycol" Cryo-Letters. 16. 21-30 (1995)

  • [文献書誌] Sakonju,I., Taura,Y.: "Cryopreservation of isolated rat islets of Langerhans of ethylene grycol or dimethyl sulfoxide : Eavaluation of toxcity and the dinamic pattern of subsequent insulin release in vitro" Cryobiology. 33. 354-362 (1996)

  • [文献書誌] Sakonju,I., Taura,Y.: "Differential freezing tolerance of rat pancreatic islets depending on their size variation" J.Vet.Med.Sci.57. 859-863 (1995)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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