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1996 年度 実績報告書

未利用多糖イヌリンの有用物質への変換

研究課題

研究課題/領域番号 08660401
研究種目

基盤研究(C)

研究機関宮崎大学

研究代表者

太田 一良  宮崎大学, 農学部, 助教授 (70112315)

研究分担者 中村 豊彦  宮崎大学, 農学部, 助教授 (90040857)
キーワードAspergillus niger / Saccharomyces cerevisiae / イヌリナーゼ / イヌリン / イヌロオリゴ糖 / エタノール / キクイモ / 並行複発酵
研究概要

1.回分式の並行複発酵によりイヌリンを貯蔵多糖として含有するキクイモ(Helianthus tuberosus L.)からエタノールを生産した。まず、エキソおよびエンド型イヌリナーゼを細胞外に生産する変異株Aspergilus niger817をショ糖を炭素源とする液体培地を用いて30℃で120時間振盪培養した。その菌体を含む培養液(イヌリナーゼ活性68.5U/ml)を直接、イヌリンの糖化剤として用いた。宮崎県えびの市産のキクイモから調製しや乾燥粉末(全糖量77.4%)40gを上記の液体培養150mlと混合し、エタノール耐性酵母Saccharomyces cerevisiae1200を10^8cells/mlとなるように接種後、30℃で発酵させた。15および24時間発酵後にさらに30gと20gのキクイモ乾燥粉末を追加した結果、120時間で20.1%(v/v)の高濃度エタノールを生成した。
2.イヌリナーゼ高生産性糸状菌TN-88株を大分県の土壌中から分離、選出し、ペニシリウム属と同定した。本菌株を炭素源の異なる種々の液体培地で30℃、4日間振盪培養すると、イヌリンを炭素源とした場合のみ誘導的にイヌリナーゼを細胞外に生産した。その培養濾液のイヌリナーゼ活性は8.5U/ml、インベルターゼ活性に対する比(I/S)は8.0であった・細胞外エンド型イヌリナーゼをDEAE-セルロファインA-500およびQ-セファロースHPカラムクロマトグラフィーにより電気泳動的に単一に精製した。分子量は、6.8KDa、比活性は、105U/mgであった。本酵素は、pH5.2、50℃で最大活性を示した。イヌリンに特異的に作用し、スクロール、ラフィノース、レバンには作用しなかった。また、イヌリンに対して70%の分解限度を示し、その主要な加水分解産物は、イヌロトリオースであった。イヌリン(平均分子量、6100)に対するK_m値は0.20mHであった。N末端アミノ酸配列にβ-フラクトフラノシダーゼに固有のモチーフ、Met-Asn-Glu-Pro-Asn、が認められた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Toyohiko Nakamura: "Ethanol Production from Jerusalem Artichoke Tubers by Aspergillus niger and Saccharomyces cerevisiae" Journal of Fermentation and Bioengineering. 81・6. 564-566 (1996)

  • [文献書誌] 中村豊彦: "Aspergillus nigerの生産する細胞外エンド型イヌリナーゼ(P-I)の性質について" 宮崎大学農学部研究報告. 43・2. 93-101 (1997)

  • [文献書誌] 中村豊彦: "Aspergillus nigerの生産する細胞外エキソ型イヌリナーゼ(P-III)の固定化と性質" 宮崎大学農学部研究報告. 43・2. 103-109 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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