高等植物原形質膜G蛋白質の器官特異的発現に関する研究 イネ種子発芽において、ヘテロ3量体G蛋白質は、吸水後5日以降にαサブユニットの転写・翻訳産物が著しく増大することを見い出した。このことは、3量体G蛋白質が、乾燥種子よりは発芽後期過程以降で必要な機構に関与していることを示唆している。現在までのところ、in situ hybridazationにより、地下部、地上部とも、師管部にαサブユニットのmRNAが多く蓄積することを同定した。今後、師管におけるG蛋白質の機能の同定を進める計画である。 形質転換植物体を用いた高等植物原形質膜G蛋白質の機能に関する研究 グルココルチコイド誘導系プロモーターを利用したベクター(pTA 7002)を用いて、イネG蛋白質αサブユニットcDNA (RGA1)のセンスおよびアンチセンスmRNAを誘導発現する形質転換イネ培養細胞(Oc)の作製を試みた。アンチセンスを発現する形質転換Ocに関しては、RT-PCR法により、グルココルチコイドにより誘導されるサスペンションを、独立に20ライン同定した。現在、グルココルチコイド存在下での増殖能および形態等の変化を検討している。センス鎖を過剰発現する形質転換ラインに関しては、スクリーニング中である。今後、マストパラン投与の実験結果とあわせて、形質転換体の解析を進め、3量体G蛋白質の植物での機能解析を計画している。
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