非対冷性イネに予め短時間の脱水ストレスを与えると、4℃、24時間の低温処理をしても枯死しなくなり、抵抗性を獲得することが解った。脱水シグナルを受けて細胞内カルシュウム濃度の増加が見られ、さらに、カフェインで失活するカルシュウムチャンネルが耐冷性因子であることも判明した。カフェイン感受性カルシュウムチャンネル遺伝子を分離する目的で動物の類似のカルシュウムチャンネル遺伝子の構造を参考にプライマーを数種合成した。イネの根のRNAをテンプレートにして、本プライマーを用いてPCRでDNA断片の増幅を行ったところ、幾つかの断片が得られた。これらの断片の塩基配列を解析したが、今のところ、カルアシュウムチャンネル遺伝子のDNA断片と思われるものは見い出されていない。本プロジェクトを断続するとともに、電気生理学的手法および生化学的手法を用いて、カルシュウムチャンネル蛋白質の分離を試みるため実験条件を整備している。
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