研究課題/領域番号 |
08670004
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小宮山 政敏 千葉大学, 医学部, 助手 (70175339)
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研究分担者 |
豊田 直二 千葉大学, 医学部, 講師 (00188822)
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キーワード | ミオシン軽鎖 / トロポニン / アイソフォーム / 蛍光蛋白質GFP / エピトープタグ / 蛋白質動態 / 筋原線維形成 / キメラ |
研究概要 |
1) 蛍光蛋白質GFPとの融合筋蛋白質の発現による構造形成の動態の解析 速筋型ミオシンアルカリ軽鎖(LC3f)のcDNAとGFPのcDNAとを組み合わせてニワトリ胚心室筋の培養細胞に導入し、発現した融合蛋白質(LC3f-GFP)の動態を蛍光顕微鏡に装着した高感度冷却CCDカメラで解析した。遺伝子の導入から14〜16時間後では、LC3f-GFPの多くは細胞内に字瀰漫性に分布していたが、一部は筋原線維上に一定の周期で局在していた。その後、同一の細胞を観察し続けた結果、それから約10時間後(遺伝子導入から26時間後)には、LC3f-GFPは筋原線維のA帯に局在するに至った。LC3f-GFP発現初期の細胞に蛍光ファロイジン染色を施し、共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、LC3f-GFPは初期にはZ線付近すなわちA帯の両端に局在することが判明した。これらのことから、ミオシン軽鎖は筋原線維の太いフィラメントの末端部から徐々に組み込まれて行くことが明らかになった。 2) 構造形成における筋蛋白質アイソフォームの選択的集合 心筋型(CTnI)および速筋型トロポニンI(FTnI)の筋原線維への組み込まれ方の差異について、エピトープタグ標識したcDNAを培養心筋および骨格筋細胞に導入することにより調べた。CTnIおよびFTnIはそれぞれ心筋および骨格筋の筋原線維には高い親和性をもって組み込まれるが、FTnIが心筋の筋原線維にもよく組み込まれるのに対して、CTnIは骨格筋の筋原線維にはほとんど組み込まれなかった。両者のキメラcDNAを発現させてみると、TnIの後半部(C末側)がアイソフォーム特有の選択的集合に重要であることが判明した。
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