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1996 年度 実績報告書

痛覚伝導路とその調節機構についての形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670012
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨医科大学

研究代表者

熱海 佐保子  山梨医科大学, 医学部, 教授 (10110298)

研究分担者 川手 豊子  山梨医科大学, 医学部, 助手 (10252024)
坂本 宏史  山梨医科大学, 医学部, 助手 (10162314)
キーワード脊髄 / 一次求心性線維 / シナプス糸球体 / 痛覚 / グリシン / エンケファリン / サブスタンスP / 免疫細胞化学
研究概要

痛みの情報は、一次求心性線維により脊髄後角I、11層で後角ニューロンに伝達され、更に視床へ伝達される。大筋でこれは確定しているがその情報伝達の形態的基盤、即ち回路網の詳細は不明であり、脊髄レベルでの抑制系の作用部位についても不明な点が多々ある。我々は痛覚伝達の調節機構に関しニワトリ後角で研究を進めてきたが、今年度は以下の点が明らかになった。
1.一次求心性線維より上行路の起始細胞への情報伝達回路網について
1)SP含有終末を密に受ける上行路起始細胞は、頚膨大部のみならず、胸髄、腰膨大部にも分布すること、脊髄の縦軸方向ほぼ50μmに一個の割合で出現することを明らかにした。
2)脊髄後角1,11層のSP含有終末の慢性の痛み刺激による変化を知るために、3群(1群6羽)のニワトリで背中に皮切を与えた後、経時的にSP免疫反応性を検索した。その結果、皮切直後はSPが減少し次に逆に高くなり、次にやや低くなり、4日目頃には最も高くなりその後徐々に減少するという二相性の変化が起きることが明らかななった。
後角における痛みの抑制機構
1)後角11層のシナプス糸球体においてグリシン含有ブトンが一次求心性線維に対してシナプスを形成していることを免疫細胞化学的にPAP法とProtein A-金法を組み合わせて証明した。
2)シナブス糸球体で一次求心性線維とシナプスを形成するエンケファリン(Enk)含有ブトン、が樹状突起である軸索であるか明らかでなかった。今回樹状突起のみに存在するMAP2とEnkの分布を比較し、シナブス糸球体のEnk含有ブトンは樹状突起であり、上行路起始細胞とシナブスを形成するEnk含有ブトンは軸索であることを示唆する結果が得られた。
3.脳幹への上行路に関しては、ニワトリ脳脊髄定位固定装置を製作し、予備実験中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Chunying Yang: "Clycine-containing axon terminals on large ventrla horn cells including identified d-motoneurons in the spinal cord of the chicken" Acta Histochem.Cytochem.30(1). 1-6 (1997)

  • [文献書誌] Xiu-Yan Zhai: "Large dorsal horn neurons which receive inputs from numerous substance P-like immunoreactive axon terminals in the laminae l and ll of the chicken spinal cord" Neurosci.Res.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Sakamoto: "Clycine-immunoreactive dendrites and axon terminals in synaptic glomeruli in the lamina ll of the chicken spinal cord" Proceedings of the 10th International Congress of Histochemistry and Cytochemistry. 998-999 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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