研究課題/領域番号 |
08670081
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
有田 順 山梨医科大学, 医学部, 教授 (80128587)
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研究分担者 |
三枝 岳志 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70215523)
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キーワード | 下垂体前葉 / プロラクチン分泌細胞 / 細胞増殖 / 視床下部ホルモン / エストロゲン / ドーパミン / 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン / cyclic AMP |
研究概要 |
6週令雌ラツトより得られた下垂体前葉細胞を血清含有培地にて前培養後、3日間無血清培地で培養した。この無血清培地に視床下部ホルモンを添加し、プロラクチン分泌細胞の増殖に対する影響を調べた。培養終了前にbromodeoxyuridine(BrdU)を培地に添加し、増殖細胞を標識した後、培養細胞のプロラクチンとBrdUを2重染色し、BrdU陽性プロラクチン陽性細胞を増殖プロラクチン産生細胞とした。 1 今年度においてプロラクチン産生細胞増殖促進作用を調べた視床下部ペプチドは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、vasoactive intestinal peptide(VIP)、オキシトシンであった。昨年度の研究でTRHは予想に反して抑制的に作用することが明らかになったが、無血清培地に0.1%牛血清アルブミンを添加した培養条件下では予想通りTRHは100pMの濃度でプロラクチン産生細胞の増殖を促進することがわかった。しかし、牛血清アルブミン添加無血清培地でさらにVIP、オキシトシンの作用を調べたが、10^<-6>-10^<-12>Mの濃度の範囲では効果は認められなかった。 2 増殖促進効果が認められたTRHとエストロゲンとの協同作用が存在するか否かを調べると、エストラジオール非存在下では認められたTRHの増殖促進効果は10nMエストラジオール存在下ではむしろ消失していた。 3 視床下部ホルモンのプロラクチン産生細胞増殖促進作用のsecond messenger分子と考えられるcyclic AMPの細胞内作用機序に関しても検討した。細胞内cyclic AMP増加によってプロラクチン産生細胞の増殖も促進され、これはかなりの部分mitogen-activated protein kinaseに依存していた。また、このcyclic AMPの促進作用は抑制性視床下部ホルモンのドーパミンのアゴニストであるbromocriptineでは抑制されなかった。
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