研究概要 |
本研究の研究目的は覚醒慢性リスザルを静座するように学習させ、二軸回転刺激(yaw & roll or pitch)を加え、宇宙適応症候群に関係の深い脳内部位から単一神経活動を記録することである。当面は、前庭核と視床下部を考えた。また、AR要素解析システムを使い、脳波,心電図(心拍)、血圧のリズムを分析する。まず、二軸回転を与えながら単一ニューロン活動を記録するのには良いモンキー・チェア、良い記録装置をまず開発する必要がある。本年度はモンキーチェアを作ることに重点を置き、本年度後半には、実際に単一神経活動を記録する所までは漕ぎつけることを目的とした。 (1)空間識実験装置(島津製作所)のゴンドラ内にモンキー・チェアを設置した。モンキー・チェアは、アクリル板とアルミ枠で軽量小型にした。また、リスザルを固定するためのチェストを整形外科用ギブスで作製した。 (2)本年度はテレメータを作り単一神経細胞活動の記録に力を注いだ。一応完成を見たがテレメータをは使用し始め出したばかりである。周波数特性の上限を3KHzまで上げることが出来た。これによりユニットのピークは計れることが解ったので、これから脳内に実際に電極を刺して記録を行っていく。 (3)単一神経細胞活動記録用のマニプレータ(M0-9;成茂科学)を改良を試みた。本年度はラット用のをリスザル用に改造したこと、及び、埋め込み電極を作った。最終的には独自で物を作らなければならないだろう。 (4)心拍数,血圧の変動もAR要素解析システムを使うことによって従来と異なった分析が可能である。心拍数は従来はCVの変動などに基づき議論されてきた。簡単ではあるが、あまり有力であるとは言えない。この点AR要素解析はあらゆる生体リズムの分析に応用可能であるので、新しい応用分野を開拓したい。
|