PP2CβゲノムDNAのクローニングにより、これまでに8個のエクソンの存在が明らかになった。エクソンIVからエクソンVIIまでにPP2Cβの5つのアイソフォーム(β-1〜β-5)に共通の翻訳領域がコードされていて、エクソンVIIIにPP2Cβ-1に固有の配列と終止コドンが観察された。PP2Cβ-2〜-5のC末端をコードするエクソンはさらに下流に存在するものと考えられる。エクソンIIの上流にはTATAボックスが存在し、性決定に重要な役割を果たす転写因子であるSRYの結合配列、およびNRE(c-mosの精巣以外での転写を阻害する因子)の結合配列が見出された。エクソンIIとその上流より成る7kbpのDNA断片をルシフェレースのレポーター遺伝子の上流に導入し、p19細胞にトランスフェクトしたところ、プロモーター活性が検出された。すでに我々は、RT-PCRによる解析で、エクソンII/III/IVを含む転写産物がマウス成獣の精巣に特異的に発現することを明らかにしている。以上の結果から、今回見出したプロモーター(P2)がPP2Cの精巣における特異的発現を制御するプロモーターであると結論された。
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