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1996 年度 実績報告書

新規ヒトユビキチン結合酵素遺伝子の単離と細胞機能における役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08670167
研究機関岐阜大学

研究代表者

岡野 幸雄  岐阜大学, 医学部, 教授 (10177066)

研究分担者 鷲見 典子  岐阜大学, 医学部, 助手 (60273140)
木村 正志  岐阜大学, 医学部, 助手 (40260575)
キーワードUbiquitin-conjugating enzyme / protein degradation / FISH / cDNA cloning
研究概要

細胞内タンパク質のユビキチン(Ub)化は、細胞増殖・転写・DNA修復・受容体エンドサイトーシスなど種々の細胞機能に深く関与し、Ub化される基質蛋白質として癌遺伝子産物のMycやFos、癌抑制遺伝子のp53、成長因子受容体などが知られている。蛋白質のユビキチン化には3種の酵素が関与する。UbをATP依存性に活性化して自らとイソペプチド結合させるE1酵素(Uba)、E1酵素からUbを受け取り基質蛋白質にUbを付加するE2酵素(Ubc)、および基質蛋白質の認識に必要とされるE3酵素(Ubr)である。我々は、シグナル伝達分子の解析の過程で偶然Ub結合酵素(E2)の新規遺伝子の部分クローンを単離した。複数のcDNAライブラリーをスクリーニングし直してようやく得られた全翻訳領域を含むクローンがコードする蛋白質は、201アミノ酸からなり推定分子量22.1Kと考えられた。データベースを探索した結果、本クローンはN末端に数十アミノ酸を含むclass III E2の新規ヒト遺伝子と考えられた。報告論文中に引用された配列やEST配列との比較から、本クローンの最初のATGが開始コドンであり、UbcH8と命名した。UbcH8-GST融合蛋白質をコードする遺伝子を構築し、大腸菌に発現させてグルタチオンカラムを通して51kDaの蛋白質を精製した。UbcH8がE2酵素であることを確認するため、大腸菌に発現させてアイソトープ標識したUbおよび大腸菌に発現させたE1酵素存在下にUbcH8-GST融合蛋白質をインキュベートしたところUbcH8がUb化された大きさの位置に放射活性のバンドを認めた。このバンドは、E1酵素依存性に出現し、還元剤DTTの存在下に著明に減少した。この結果は、UbcH8がUbとイソペプチド結合したことを示しており、得られた遺伝子産物のUbcH8が機能的にもE2酵素であることが確認できた。さらに、我々は名古屋大学農学部・松田洋一博士との共同研究により、UbcH8遺伝子がヒトの第3染色体短腕24.2にマップされることをFISH法によって明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nagata,K.-I.: "Protein kinase C isozymes in human megakaryoblastic leukaemia cell line,MEG-01 : possible involvement of the isozymes in the differentiation process of MEG-01" Brit.J.Haematol.93. 762-771 (1996)

  • [文献書誌] Ishizuka,T: "Insulin regulates PKC isoform mRNA in rat adipocytes" Diabetes Res.Clin.Pract.33. 159-167 (1996)

  • [文献書誌] Hattori,T: "Molecular cloning of a cDNA Encoding Human TSC-22 (Transforming Growth Factor β-1-Stimulated Clone 22) and Localization of the Gene at Chromosome 13q14" 岐阜大学医学部紀要. (印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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