研究課題/領域番号 |
08670195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岩渕 三哉 新潟大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70143766)
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研究分担者 |
重野 直也 新潟大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60018330)
渡辺 英伸 新潟大学, 医学部, 教授 (70037381)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 消化管 / カルチノイド腫瘍 / 内分泌細胞癌 / 小細胞癌 / 消化管ホルモン / 分子病理 |
研究概要 |
ヒト消化管内分泌細胞腫瘍群(カルチノイド腫瘍と内分泌細胞癌約400個、内分泌細胞癌継代移植株6種(食道、胃、直腸原発))を病理学的・分子病理学的に解析し、発生、進展、転移に関して以下の知見を得た。 「組織発生」カルチノイド腫瘍は幼若内分泌細胞に由来することを示した。内分泌細胞癌は、(1)通常型分化型腺癌および腺管絨毛線種、(2)多分化能幹細胞、(3)カルチノイド腫瘍、(4)幼若内分泌細胞からの発生が想定されること、高頻度の経路は(1)であり、特に、粘膜内分化型腺癌深層部に発生した腫瘍性内分泌細胞クローンの選択的増殖により形成される内分泌細胞癌が最も多いことを明らかにした。 「遺伝子」p53陽性腫瘍頻度がカルチノイド腫瘍0%、内分泌細胞癌40〜50%であることを示し、遺伝子面からも両腫瘍が発生経路を異にすることを明らかにした。 「腫瘍の進展・転移」Ki-67陽性細胞率がカルチノイド腫瘍1〜2%以下、内分泌細胞癌20〜50%であることを示し、腫瘍細胞の増殖能が腫瘍の進展・転移能の指標として有用であることを示した。原発巣でのホルモン産生の特性は転移巣でも保持されることを示した。これに基づき、ホルモン検索を病態把握に役立てるためには、本腫瘍群を好銀性カルチノイド腫瘍(マーカーホルモン:発生部位に特徴的なペプチドホルモン)、銀親和性カルチノイド腫瘍(セロトニン)、内分泌細胞癌(セロトニン)に亜分類するべきことを示し、その検索手順を示した。 「培養株」内分泌細胞癌株が母腫瘍の機能的特性(セロトニン、ペプチドYY,腸グルカゴン、カルシトニン産生)を良く保持していることを明らかにした。さらに 、食道内分泌細胞癌由来株にはVincristinとMitomycinCが有効であったが、他の株では有意な効果は得られないことを示した。
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