研究課題/領域番号 |
08670203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
吉田 春彦 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40037429)
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研究分担者 |
中本 幸子 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助手 (20116338)
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キーワード | 骨・軟部肉腫 / 染色体転座 / パラフィン包埋材料 / FISH法(Fluorescence in situ hybridization) |
研究概要 |
骨軟部腫瘍の核型解析から、腫瘍の組織特異的な染色体異常が存在することが示唆されている。(1)組織特異的染色体異常を間期細胞で検出可能か。(2)染色体異常の検出結果と組織診断との間の相関性を知る目的で研究を進めた。 材料と方法:病理組織診断された48例の軟部肉腫(滑膜肉腫28例、ユ-イング肉腫グループ6例、脂肪肉種13例)を用いて主に染色体転座を調べた。方法として、FISH法(Fluorescence in situ hybridization)により、核内蛍光シグナル数を数えた。DNAプローブはオンコー社のビオチン標識トータルおよびセントロメア(11、12、16、18、22番各染色体とX染色体)プローブを使用した。パラフィン包埋ブロックから、50μmの簿切組織を作り、腫瘍細胞を単離した。単離細胞をproteinase K(0.02〜0.1mg/ml)で処理、除蛋白した後4%パラホルムアミドで固定した。単離細胞とプローブはそれぞれ70〜80℃で変性させ、37℃で17時間反応させた。可視化させるために、FITC結合アビジンを室温で30分反応、結合させて、蛍光顕微鏡下で100〜200個の腫瘍細胞核の蛍光シグナル数をカウントした。 結果:一例を除いた47例(89.4%)で腫瘍特異的、染色体転座が認められた.t(X;18)転座は滑膜肉腫28例中25例で陽性、転座陰性の3例中2例は免疫染色の結果、悪性シュワン腫と平滑筋肉腫に診断変更された。t(11;22)転座はユ-イング肉腫群の6例中5例、t(12;16)転座は脂肪肉腫(粘液型と円形細胞型)の13例中12例に認められた。パラフィン包埋材料から単離した、間期細胞でのFISH法による染色体転座の検索は可能であった。また、染色体転座は腫瘍組織に特異的で、診断の補助手段として利用できることがわかった。
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