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1997 年度 実績報告書

ヒト軟部腫瘍における染色体および遺伝子異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08670229
研究種目

基盤研究(C)

研究機関産業医科大学

研究代表者

橋本 洋  産業医科大学, 医学部, 教授 (10128069)

研究分担者 森光 洋介  産業医科大学, 医学部, 講師 (90258476)
久岡 正典  産業医科大学, 医学部, 助教授 (40218706)
キーワード軟部腫瘍 / 染色体異常 / 遺伝子異常 / 染色体分析 / RT-PCR / FISH / CGH
研究概要

平成9年度は、これまで収集し得たヒト骨・軟部腫瘍の中から特徴的なキメラ遺伝子を有することが知られている滑膜肉腫、Ewing/PNET腫瘍及び粘液型脂肪肉腫を対象とし、それらのホルマリン固定パラフィン包埋組織よりRNAを抽出し、nested RT-PCR法によるキメラ遺伝子産物の検出を試みた。その結果、滑膜肉腫では40%、Ewing/PNET腫瘍では92%、粘液型脂肪肉腫では89%の症例に各々の腫瘍に特徴的なキメラ遺伝子産物を検出でき、また同時に行ったβ-アクチン遺伝子産物の検出においては44〜85%の症例に同遺伝子産物が検出できた。このことからホルマリン固定パラフィン包埋組織にもこの方法によって増幅検出可能なmRNAが比較的高頻度に含まれており、この検出法がそれら腫瘍における補助的診断法として有用であることが示された。因みに、非典型的な組織像を示したPNETの症例においても、この方法により診断を確認することができた。またFISH法を用いた染色体の解析では、今年度はデスモイド腫瘍を対象とし、最近の研究によってこの腫瘍の再発との関係が示唆されている第8染色体のtrisomyに着目し、この染色体異常と腫瘍の再発との関係についてホルマリン固定パラフィン包埋組織を用いて検討した。その結果、非再発例では12.5%に第8染色体のtrisomyが検出されたのに対し、再発例では72.7%に検出され、腫瘍の再発とこの染色体異常の有意な相関関係が示された。さらにCGH法を用いた遺伝子異常の解析では、粘液型悪性線維性組織球腫(MMFH)、粘液型脂肪肉腫、滑膜肉腫等の多岐にわたる軟部肉腫を検索したところ、種々の染色体に多くの遺伝子異常を検出でき、特にMMFHでは9qのDNAコピー数の減少が他の肉腫よりも比較的高頻度に認められた。今後組織型の種類と症例を加えて検索を続けるとともに、異常が検出された染色体・遺伝子をより細かく解析していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Kouho: "Clinicopathological and interphase cytogenetic analysis of desmoid tumours" Histopathology. 31・4. 336-341 (1997)

  • [文献書誌] Masanori Hisaoka: "Peripheral primitive neuroectodermal tumour with ganglioneuroma-like areas arising in the cauda equina" Virchows Archiv. 431・5. 365-369 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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