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1997 年度 実績報告書

組織切片のマイクロダイゼクション法による前癌病変,背景病変の遺伝子異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08670233
研究機関筑波大学

研究代表者

野口 雅之  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00198582)

キーワード組織マイクロダイセクション / PCR-LOH / AP-PCR
研究概要

前年度に詳細に解析し、十分に有効な組織マイクロダイセクションが行えることが確かめられたので、この方法で採取したヒトがんのDNAを用いて以下に示す解析を行った。
(1)肺腺がん94例のDNAを組織マイクロダイセクション法を用いて採取し、その染色体欠失をpolymerase chain reaction-loss of heterozygosity(PCR-LOH)法にて2p,3p,9p,17p,17qのかくlocusについて解析した。その結果、小型ながら進行がんと考えられる腫瘍では26.8%の割合でLOHが見つかったが、生物学的に非常に予後の良い、上皮内がんとでもゆうべき腫瘍にも19.8%の割合でLOHが認められ、染色体の欠失は肺腺がんの発がんの非常に早期から起こっている遺伝子異常であることが明らかになった。また一葉(左上葉)内に100個以上のatypical adenomatous hyperplasia(AAH)が認められた症例を用いて、肺腺がんの前がん状態と考えられるAAHについても組織マイクロダイセクションにて採取したDNAを用いて染色体の欠失を解析した。するとAAHの中にも欠失を認めるものが見つかり、上記の推測が正しいことが確かめられた。
(2)開発した組織マイクロダイセクション法を用いて採取したメタノール固定肺がんDNAについてarbitrarily primed PCR(AP-PCR)法を行い、スクリーニング的に個々の肺がんに存在する遺伝子異常を解析した。すると肺腺がんでは染色体7番で欠失が41.7%に認められ、1,8,13番で増幅が40%以上に認められた。扁平上皮がんでは染色体2番の増幅が63.3%に認められた。興味あることに小細胞がんでは染色体22番の欠失が非常に高頻度(84.6%)に認められたので、このPCR産物をクローニングしてさらに詳細にその染色体部位を解析すると、このPCR産物は22q13.3に位置することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Otsuka T, Noguchi M., et al.: "Deletion mapping of chromosome 2 in human lung carcinoma." Ganes Chromcsome Cancer. 16. 113-116 (1996)

  • [文献書誌] Kato N, Noguchi M, et al.: "Raplication of hepatitis C virus in cultured non-neoplastic human hepatocytes" Jpn J Cancer Res. 87. 787-792 (1996)

  • [文献書誌] Noguchi M: "Papillary adenolarcinoma vs bronchia loalveclar carcinoma : (1) Pathology : geretic changes and outcome" Lung Cancer. 18(Supplement2). 15 (1997)

  • [文献書誌] Cho JH, Noguchi M.: "Expression of HuD (Aparahecplastic ancephalomyclitis antigen) mRNA in lung cancer" JKMS. 12. 305-310 (1997)

  • [文献書誌] Noguchi M, et al.: "Modified formalin and methanol fixation methods for molecular biological and maphological analyses" Pathol Int. 47. 685-691 (1997)

  • [文献書誌] Yoshioka H, Noguchi M, et al.: "Analysis of loss of heterozygosity in small adenocarcinoma of the lung" Jpn J Clin Oncol. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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