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1996 年度 実績報告書

ヒト1番染色体移入による不死化マウス肝細胞の老化再誘発

研究課題

研究課題/領域番号 08670236
研究機関旭川医科大学

研究代表者

李 康弘  旭川医科大学, 医学部, 助教授 (10261405)

研究分担者 小川 勝洋  旭川医科大学, 医学部, 教授 (50045514)
キーワード肝細胞 / 不死化 / 抑制遺伝子 / マウス4番染色体 / ヒト1番染色体
研究概要

C3Hマウス肝細胞由来の不死化細胞株Nは、第4染色体遠位部に存在する肝細胞不死化抑制遺伝子Lci(Liver cell immortalization)を欠損している。Lciの機能を明らかにする目的で、N細胞に第4染色体と相同性を有する正常ヒト第1染色体をマイクロセル法で移入したところ、移入クローンの出現頻度は極めて低く、対照として移入した第15染色体の場合に比べ、約30分の1であった。稀に出現した6個のクローンについて、移入されたヒト第1染色体の状態を調べると、全例で同染色体短腕に部分欠失が観察された。欠失マッピングによれば、最小共通欠失領域は1p35-36であった。この部位はマウス第4染色体遠位部と高い相同性を有することが知られており、ヒトLci遺伝子が同部位に存在するものと考えられた。肝プロモーターであるフェノバルビタール、あるいは、強力な外来性不死化遺伝子であるSV40T遺伝子の存在下でも、無傷のヒト第1染色体を保持する移入クローンは得られなかった。よって、Lciの不死化抑制作用は、不死化因子に関わらず、普遍的に発揮されるものと推測された。以上より、Lci遺伝子単離に不可欠であるYAC導入による不死化抑制機能のスクリーニング法を完成するためには、今年度とは異なる新しいアプローチが必要と思われる。
一方、フェノバルビタールを用いる実験を行った際、この物質がc-myc遺伝子と協力してマウス肝細胞にアポトーシスを誘導することを発見した。我々の発見は、フェノバルビタールがアポトーシスの抑制により肝発癌を促進するという定説に疑問を投げかけるものである。現在、このアポトーシスの分子機構につき、解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Obata,M.: "Identification of the Par2 (Pulmonary adenoma resistance) locus on mouse chromosome 18,a major genetic determinant for lung carcinogen resistancein BALB/cByJ mice." Oncogene. 13. 1599-1604 (1996)

  • [文献書誌] Yoshida,Y.: "Intrahepatic transplantation of normal hepatocytes prevents Wilson's disease in Long-Evans cinnamon rats." Gastroenterology. 11. 1654-1660 (1996)

  • [文献書誌] Sohn,Y.-W.: "Activation of H-ras oncogenes in male B6C3F1 mouse liver tumors induced by vinthionine or 2-chloroethyl methyl sulfide." Carcinogenesis. 17. 1361-1364 (1996)

  • [文献書誌] Lee,G.-H.: "Genetic dissection of susceptibility to murine ovarian teratomas that originate from parthenogenetic oocytes." Cancer Res.(in press).

  • [文献書誌] Obata,M.: "Loss of heterozygosity at loci on chromosome 4,a common genetic event during the spontaneous immortalization of mouse embryonic fibroblasts." Mol.Carcinogenesis. (in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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