248例の肺癌(うち247例について解析成功)と病院対照180例をとってCyplAl exon7多型、CSTMl null type、hOGGl Cys/Ser多型を検討した。さらに中国江蘇省、日本の岩手、東京、沖縄、オーストラリアシドニーの白人における分布をしらべた結果以下の成果を得た。 1.遺伝的に本州とはことなり、比較的homogeneousといわれう沖縄において、CyplAl Exon7多型は肺癌のリスクと相関する。リスクは組織型によってきわだった差があり、小細胞癌では、喫煙量、年齢を補正後、9.35(95%CI 2.08-42.0)にたっした。 2.喫煙量の多少でみるとすくない喫煙者でややリスクが高いようにもみえるが有為ではなく、Linear modelによるinteractionをみても傾きの差として検出できなかった。 3.本邦の3地域の無作為抽出群のDNAについて、このCyplAl exon7多型の分布に差がなかった。 4.オーストラリアの白人ではExon7 val alleleの分布が北米の白人と同様すくなかった(Val/Valは1%以下)江蘇省でも、Val alleleの頻度はきわめて少なく、malaysfaなどで報告されているのとは異なっていた。 5.GSTMl単独ではNull typeでも肺癌のリスクにならなかった、またhOGGlの多型も肺癌のriskとの相関はなかった。 6.分子病理学的に肺癌の周辺組織内にBenzopyrene-guanine adductに対する抗体5Dllで染色されうるものを核内にみとめ、あるものはpostlabellingやSFSでadductを検出したとするものと一致していた。そのような症例はVal/Valgenotypeの症例に多い傾向があった。
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