研究概要 |
破骨細胞形成おいて骨芽細胞/ストローマ細胞の果たす役割は、 1.骨髄造血系細胞〜破骨細胞系の増殖に必要な液性因子の供給、 2.破骨細胞の分化成熟に不可欠な直接接触を介する相互作用、 の2段階が想定される。 閉経後骨粗鬆症の病態解析において,Estrogen消退によっておこる破骨細胞増加と骨吸収亢進の機序を解明するために,私どもは1.の観点から卵巣摘出マウス骨髄におけるM-CSF発現に関する知見を集積しつつある.M-CSF発現局在を組織形態学的に評価するためには今後組織分子雑種法を行う予定であるが,本年度は材料の固定法やプローブ作成について基礎的検討を加え,その成果は内外の学術誌や著書において発表した. さらに,2.の観点から,平成8年度には,マウス骨髄ストローマ細胞に着目してDifferential display法を用いた実験系を確立し,破骨細胞形成支持能と連動して発現する遺伝子の単離を行った.研究の成果は,第85回日本病理学会総会,第14回日本骨代謝学会,第18回アメリカ骨代謝学会議において報告し,現在論文投稿準備中である.今後は,破骨細胞形成支持能と連動して発現する遺伝子の発現について,卵巣摘出の影響や炎症性サイトカインの影響について研究を進める予定である.
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