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1996 年度 実績報告書

アダプター型癌遺伝子CRKによる癌化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08670266
研究種目

基盤研究(C)

研究機関国立国際医療センター(研究所)

研究代表者

松田 道行  国立予防衛生研究所, 感染病理部, 研究員 (10199812)

研究分担者 長嶋 和郎  北海道大学, 医学部, 教授 (50010377)
キーワードCRK / DOCK180 / アダプター分子
研究概要

本年度は、癌遺伝子Crkに結合する蛋白の中で2番目に量的に多い、DOCK180蛋白の解析を行った。まず、この蛋白のcDNAをファーウエスタン法にてクローニングした。約7.5kbのmRNAのうちの蛋白翻訳領域の核酸配列を決定した。この配列をもとにデータベースサーチを行ったが、既存の蛋白との相同性はほとんど見出されなかった。唯一、アミノ末端側にSH3領域が存在することを見出すことができた。また、Crkとの結合部位はカルボキシル末端側であることが確認された。つぎに、カルボキシル末端側を大腸菌に発現させ、それをもとに抗体作成を行った。この抗体は、得られたcDNAを培養細胞に発現させたものと良く反応した。さらに、条件を変えることにより、内在性のDOCK180と思われる蛋白も、180kDa付近に検出することができた。このバンドと、得られたcDNAから発現される蛋白とは電気泳動上同じ位置に来たので、得られたcDNAはDOCK180をコードしていると結論づけられた。これらの材料を使ったウエスタンブロッティングとノザンブロッティングにより、DOCK180は血球系の細胞を除くほぼすべての細胞に発現していることがわかった。さらに、DOCK180が癌化にどのような影響を与えているかを検討するために、DOCK180に膜移行シグナルを付加して、恒常的に活性化型と考えられるものを作製した。これを培養細胞に発現させると、細胞の形態を偏平化させ、付着性を上昇させることを見出した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hasegawa,H.et al.: "DOCK180,amajor CRK-binding protein,alters cell morphology upon translocation to the membrane." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 12177-12182 (1996)

  • [文献書誌] Ingham,R.J.et al.: "B cell antigen receptor signaling induces the formation of complexes containing the Crk adapter proteins." J.Biol.Chem.271. 32306-32314 (1996)

  • [文献書誌] Kizaka-Kondoh,S.et al.: "Crkll signals from epidermal growth factor receptor to Ras." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 12177-12182 (1996)

  • [文献書誌] Matsuda,M.et al.: "Emerging partners of the Crk oncogene product,the first adaptor protein." Cell.Signal.8. 335-340 (1996)

  • [文献書誌] Matsuda,M.et al.: "Interaction between the amino terminal SH3 domain of CRK and its natural target proteins." J.Biol.Chem.271. 14468-14472 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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