研究課題/領域番号 |
08670273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
宮本 健司 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30091581)
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研究分担者 |
佐藤 雪太 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40271762)
橋本 喜夫 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (70172880)
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キーワード | ライム病 / シュルツェマダニ / Borrelia burgdorferi / 遊走性紅斑 / ズノ-シス |
研究概要 |
皮膚科学領域における慢性遊走性紅斑(Erythema chronicum migrans=ECM)は1921年スェ-デンのAfzelius医師によりマダニ寄生後に出現する皮膚所見であることが報告されていた。 ライム病は米国でマダニにより媒介されるボレリア感染症であることが発見され、またその特長的な所見としてこの紅斑がダニ寄生部位に現れることが再確認された。欧米や日本の本患者に高頻度に出現する。我々もこの紅斑部組織からライム病の起因菌であるBorrelia burgdorferi sensu latoを検出している。そのためマダニ寄生後にこの所見が出現すればライム病と判定しても良いと考える。この紅斑の出現は、旭川医大の人体例からマダニ寄生後約7日間を必要とするものと推測される。この起因菌の感染と遊走性紅斑の出現の機構について明確に解明されていない。 かつて予備的実験で人体分離株を兎の皮膚へ注射器により感染させたが、明確な紅斑の所見は得られなかった。マダニの唾液には血管拡張作用、抗炎症作用、抗血液凝固作用、免疫抑制作用を示す物質が含まれている。そのため、現在、有毒マダニのコロニーを作成して自然の状態での感染実験を実施する計画で、昨年から、成虫を野外から採集し、兎へ吸着・飽血・産卵、ふ化した幼虫を、有毒マウスへ吸着・飽血、休眠・脱皮-若虫、有毒または健康マウスへ吸着・飽血、休眠と現在は成虫への脱皮を待ちつつある。
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