研究課題/領域番号 |
08670274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
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研究分担者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
阿部 達也 秋田大学, 医学部, 教授 (80128363)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 広東住血線中 / 好酸球 / IL-5 transgenicmouse / C.B-17scid / BALB / c nu / nu / diffusion shamber / IgA / CD4^+T細胞 |
研究概要 |
この研究により以下のような事実が明らかにされた。1.IL-5 transgenicmouse(IL-5Tg)では、脳蜘蛛膜下に寄生する広東住血線中は多数の好酸素球に脱累粒してライソソーム物質を放出して虫体を殺滅する。2.抗原特異的血清IgAはIL-5 Tg、C3H/HeNのいずれでも感染後5日以降、また、髄液中のIgAは7日以降陽性で、そのレバルはIL-5 Tgの方が高い。3.マウスを抗CD4抗体で処理すると、BALB/cマウスの虫体の殺滅を阻害するとともに、病態を改善できるが、抗体処理は病態に全く影響を与えない。4.tumor necrosis factor-αは感染マウスの病態に全く関与しない。5.抗IL-5 Tg抗体で処理すると虫体の殺滅は阻害できるが、病態を改善することはできない。6.IL-5 Tgマウス好酸球の粗製塩基性蛋白質は感染後20日の広東住血線虫に対してin vitroで傷害作用を示す。7.C.B-17+/+(+/+)やBALB/cnu/(nu/+)は感染により病態の悪化を示すが、C.B-17scid(SCID)やBALB/c nu/nu(nu/nu)では病態の悪化が見られない。8.脳内虫体の回収数は+/+、nu/nuではnu/+やC57BL/6よりも著しく多い。これら3系統のマウスはいずれも髄液の好酸球数が少なく、それは特にSCIDとnu/nuで顕著である。9.SCIDとnu/nuでは抗原特異的血清IgAやIgG1抗体のレベルが低い。10.感染SCIDにIL-5 Tgの腹腔滲出好酸球と感染したIL-5 Tgから回収したIgA抗体を移入しても、脳内虫体の回収数は好酸球と正常血清移入群と差が見られなかった。これはnu/nuとは異なり、SCIDでは移入された好酸球の髄液への集積が起こらないことに起因している。11.正常未感染IL-5 TgとC3H/HeNマウスの腹腔内へ第3期幼虫(L3)を封入したdiffusion chamder(DC)を移植しおくと、2μmのフィルター装置chamber内には細胞が侵入し、侵入細胞数はIL-5 Tgの方がC3H/HeNより圧倒的に多い。L3の生存は2μmのフィルターより0.1μmのフィルター装置DCの方が良好であった。
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