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1997 年度 実績報告書

組織非侵入性Entamoeba dispar無菌培養系の確立とその生物学的特徴について

研究課題

研究課題/領域番号 08670287
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小林 正規  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70112688)

研究分担者 野崎 智義  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60198588)
キーワードEntamoeba dispar / 緑膿菌 / Crithidia fasciculata / 6ホスホグルコン酸 / 解糖系 / グリセルアルデヒド3リン酸
研究概要

我々の研究成果として緑膿菌の粗多糖分画に見いだされたEntamoeba disparの増殖促進効果を有する物質がグルコン酸とジヒドロキシアセトンを加えた培地でより効果的に代謝されることがわかってきた。さらにE.disparの増殖促進物質を供給し得る細菌(緑膿菌)とCrithidia fasciculata(原虫)の糖代謝の特徴を生化学的に検討した結果、C.fasciculataにグルコン酸キナーゼ(GAK)の存在を見いだすとともに、極めて高いグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(G^PDH)活性を認めた。しかしながら、E.dispar自身にはGAK及びG6PDH活性を見いだせなかったことから、グルコン酸が既にリン酸化されている6ホスフォグルコン酸(6PGA)のアメーバの増殖に対する効果を検討した。その結果、G6P、NADP、G6PDHより合成した6PGA及びG6PとC.fasciculataのG6PDH活性を利用して調製した6PGAに富んだ抽出液に明らかな増殖促進効果を見いだし、はじめて増殖促進物質のひとつが同定された。また再現性のある無菌培養も可能となった。この6PGAの関わる緑膿菌を含めた細菌の糖代謝(Entner-Doudoroffの経路等)と緑膿菌によりジヒドロキシアセトンから合成される増殖促進物質についての関連を検討した結果、ジヒドロキシアセトンリン酸には効果が見いだせなかったが、これにトリオースリン酸イソメラーゼが作用することでできるグリセルアルデヒド3リン酸に増殖促進効果があるらしいこともわかった。これらの結果はE.disparが細菌に特有的ともいえる6PGAを経る解糖系のなかからエネルギー産生に関わる部分だけを巧妙に利用していることを示唆しているようにも考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] TSUTOMU TAKEUCHI: "Entamoeba dispar:cultivation without viable associate and its characterization" Arch.Med.Res.28. 108-109 (1997)

  • [文献書誌] JUNICHI SANUKI: "Identification of Entamoeba histolytica and E.dispar cysts in stool by polymerase chain reaction" Parasitology Research. 83. 96-98 (1997)

  • [文献書誌] HIROSHI TACHIBANA: "Preparation of monoclonal antibody specific for Entamoeba dispar and its ability to distinguish E.dispar from E.histolytica" Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology. 4(4). 409-414 (1997)

  • [文献書誌] HIROSHI TACHIBANA: "Differentiation of Entamoeba histolytica from E,dispar facilitated by monoclonal antibodies against a 150-KDa surface antigen" Parasitology Research. 83. 435-439 (1997)

  • [文献書誌] SEIKI KOBAYASHI: "Entamoeba dispar:cultivation with sterilized crithidia fasciculata." J.Euk.Microbiol.45(2). 173-178 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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